Azazel System(アザゼル・システム)

Azazel Systemの防御思想は、日本における二つの戦術的概念に着想を得ています

  • ひとつは、日本陸軍における防御戦術の原則である「敵を戦場に拘束する」という考え方です。これは、敵の攻撃をただ防ぐのではなく、あえて戦場に引き留め、敵の行動を制限しながら、味方の後続準備や反撃の時間を稼ぐことを目的としています。御調子門もこれと同様に、侵入者をシステム上に誘導し、デコイや通信遅延の中に拘束することで、攻撃の自由度を奪い、防御側に主導権を渡す構造をとっています。

  • もうひとつは、日本古来の武術における「後の先(ごのせん)」という戦い方です。これは、相手の動きを見てから反応することで、逆に主導権を握るという高度な戦術です。見かけ上は後手に見えても、実際には相手の攻撃を利用して、制御し、反撃の機を得るというものです。御調子門では、Suricataによる侵入検知後に遅滞制御を発動することで、この「後の先」の構えを実装しています。攻撃をあえて引き受け、観察し、制御するという戦術的な対応が、この思想に通じます。

このように、Azazel Systemは「防御とは単に守ることではなく、敵の行動を制御し、時間を稼ぐこと」というコンセプトを体現しており、日本的な戦術思想に根ざしたサイバーデセプションツールです。


Azazel-Pi / Azazel-Zero の源流として、思想・戦術・アーキテクチャ・共通イベントスキーマ・運用モード(Portal/Shield/Lockdown)を定義します。

  • 目的: 混乱下で最も貴重な資源は「時間」。遅滞行動で守りを成立させる。
  • 方法: 検知・誤誘導・遅延。攻撃者のテンポを崩し、防御側の主導を維持する。
  • 適用: 避難所ネットワーク、フィールド運用、エッジ・ゲートウェイ。

→ 派生: Azazel-Pi · Azazel-Zero